かつてスワップポイントが高く、新興国通貨のなかで人気のあった通貨トルコリラ。
トルコリラは激しく値動きするイメージがありますが、果たして1日にどれくらい動いているのか?
トラリピやループイフダンのリピート系自動売買や、スワップポイントさや取りにおいて通貨ペアの特性を把握しておくことは重要です。
今回の記事では、トルコリラ円の過去の値動きや長期チャート、変動幅(変動率)を調べた結果を紹介します。
目次
トルコリラ円の過去の値動きと長期チャート
まずはトルコリラ円の過去の値動きです。
2008年以降の年ごとの変動幅と変動率、それに年始から年末にかけた騰落率は以下の通りです。
始値 | 高値 | 安値 | 終値 | 変動幅 | 変動率 | 騰落率 | |
2008 | 95.450 | 95.760 | 52.650 | 58.840 | 43.110 | 45.2% | -38.4% |
2009 | 58.860 | 66.800 | 52.300 | 62.060 | 14.500 | 24.6% | 5.4% |
2010 | 62.070 | 63.940 | 52.290 | 52.560 | 11.650 | 18.8% | -15.3% |
2011 | 52.660 | 56.870 | 40.280 | 40.700 | 16.590 | 31.5% | -22.7% |
2012 | 40.880 | 48.720 | 40.510 | 48.600 | 8.210 | 20.1% | 18.9% |
2013 | 48.650 | 56.620 | 46.870 | 48.930 | 9.750 | 20.0% | 0.6% |
2014 | 48.950 | 53.980 | 42.880 | 51.320 | 11.100 | 22.7% | 4.8% |
2015 | 51.330 | 52.180 | 38.800 | 41.160 | 13.380 | 26.1% | -19.8% |
2016 | 41.280 | 41.280 | 30.610 | 33.120 | 10.670 | 25.8% | -19.8% |
2017 | 33.100 | 33.210 | 27.980 | 29.640 | 5.230 | 15.8% | -10.5% |
2018 | 29.700 | 30.240 | 15.400 | 20.610 | 14.840 | 50.0% | -30.6% |
2019 | 20.530 | 21.140 | 15.961 | 18.217 | 5.179 | 25.2% | -11.3% |
つづいて2008年以降の月足チャートです。見事なまでの下降トレンドです。2008年から12年の間に為替レートは6分の1になっています。
史上最安値は、コロナショック後の2020年5月につけた14.63円です。
恐怖のトルコリラショック
記憶に新しいのが、2018年8月のトルコリラショックです。多くの同志たちがロスカットで退場しました。
そのときに過去最安値となる15.40円まで1年間で15円近く下落しました。年間の変動幅は過去10年間で2番目、変動率ではリーマンショックのあった2008年をも上回る波乱の1年でした。
<2018年データ> | 平均 | 最大値 |
変動幅 | 0.47円 | 4.4円 |
変動率 | 2.10% | 21.98% |
上昇幅 | 0.19円 | 1.67円 |
下落幅 | 0.27円 | 4.37円 |
※変動幅:高値と安値の差、上昇幅:高値と始値の差、下落幅:安値と始値の差
1日の変動幅は平均で0.47円、最大値はトルコリラショックの起きた8月10日の4.40円です。
なんといっても、変動率は驚異の21.98%!!
2018年は年間に約50%下落していますが、1日で20%超えってヤバイですよね。
もう体験したくない💦
次に2018年の1日あたりの変動幅・上昇幅・下落幅の各値幅回数をまとめてみました。
値幅(円) | 変動幅(回) | 上昇幅(回) | 下落幅(回) |
0~0.99 | 241 | 257 | 251 |
1~1.99 | 16 | 3 | 9 |
2~2.99 | 2 | 0 | 0 |
3~3.99 | 0 | 0 | 0 |
4~4.99 | 1 | 0 | 1 |
5~ | 0 | 0 | 0 |
※変動幅:高値と安値の差、上昇幅:高値と始値の差、下落幅:安値と始値の差
波乱の1年でしたが、実は8月10日以外はたいした値動きをしていませんでした。
3円以上の動いた日は8月10日だけで、ほとんどの日が1円以内の値動きでとどまっています。
過去10年の変動幅(変動率)
さきほどトルコリラショックの起きた2018年の1日あたりの変動幅・変動率・上昇幅・下落幅の平均を紹介しましたが、過去10年間のデータも調べてみました。
2019 | 2018 | 2017 | 2016 | 2015 | 2014 | 2013 | 2012 | 2011 | 2010 | |
変動幅 | 0.260 | 0.468 | 0.364 | 0.566 | 0.613 | 0.578 | 0.721 | 0.465 | 0.705 | 0.904 |
変動率 | 1.32% | 2.10% | 1.16% | 1.54% | 1.35% | 1.19% | 1.39% | 1.04% | 1.47% | 1.53% |
上昇幅 | 0.122 | 0.192 | 0.156 | 0.221 | 0.240 | 0.256 | 0.338 | 0.235 | 0.323 | 0.405 |
下落幅 | 0.132 | 0.274 | 0.203 | 0.339 | 0.363 | 0.320 | 0.380 | 0.229 | 0.382 | 0.497 |
※変動幅:高値と安値の差、上昇幅:高値と始値の差、下落幅:安値と始値の差
2015年までは為替レートが40円を超えていたので、トルコリラにおいては値幅で比較するのはあまり好ましくありません。
1日あたりの平均変動率で見ると、トルコリラショックが発生した2018年のみ2%を超えています。2%越えは過去10年間でこの年だけで、あとの年は1.0~1.5%台で推移しています。
さらに遡ると、リーマンショックのあった2008年が2.73%とずば抜けていて、2009年も2.11%と2018年と同レベルでした。
ちなみに2010年から2019年までの1日あたりの平均変動幅は約0.565円、平均変動率は1.41%です。
参考までに過去10年間の最大値も載せておきます。
2019 | 2018 | 2017 | 2016 | 2015 | 2014 | 2013 | 2012 | 2011 | 2010 | |
変動幅 | 2.372 | 4.400 | 1.790 | 4.200 | 2.910 | 3.610 | 2.210 | 1.180 | 2.160 | 6.670 |
変動率 | 12.94% | 21.98% | 4.92% | 11.23% | 6.95% | 7.56% | 4.20% | 2.56% | 4.61% | 10.87% |
上昇幅 | 0.940 | 1.670 | 0.680 | 1.090 | 1.190 | 2.040 | 1.990 | 0.890 | 2.140 | 2.950 |
下落幅 | 2.008 | 4.370 | 1.080 | 3.900 | 2.770 | 2.330 | 2.210 | 1.170 | 1.790 | 6.420 |
※変動幅:高値と安値の差、上昇幅:高値と始値の差、下落幅:安値と始値の差
最大値で見ると、さきほども記述しましたが2018年の変動率がずば抜けています。
1日に3円以上の変動があったのは、2010年以降では、2010年に2回、2014年、2016年、2018年に各1回の計5回だけです。
週足でみた変動幅・変動率・上昇幅・下落幅
次に2010年以降の週足データをもとに、1週間の値動きを調べてみました。
下の表は、2010年以降の522週について、変動幅・上昇幅・下落幅の各値幅回数を調べたものです。
値幅(円) | 変動幅(回) | 上昇幅(回) | 下落幅(回) |
0~0.99 | 214 | 434 | 390 |
1~1.99 | 234 | 77 | 99 |
2~2.99 | 60 | 9 | 24 |
3~3.99 | 7 | 2 | 6 |
4~4.99 | 4 | 0 | 1 |
5~ | 3 | 0 | 2 |
※変動幅:高値と安値の差、上昇幅:高値と始値の差、下落幅:安値と始値の差
週単位で見ても、3円以上動くことは稀であることがわかります。
1週間で3円以上下落したのは9回、1年に1回の頻度です。
3円以上の上昇は、わずか2回に留まっています。
ほとんどの週で上下2円以内に収まっていて、スワップポイントのさや取りをする場合でも上下2円、もしくは3円の余裕を見ておけば、そう簡単にはロスカットされない設定であるということがわかります。
週明けの窓開けは大丈夫?
週足を調べていて気になったのが、週末を挟んだ窓開けによるロスカットへの対策です。
下の表は、2010年から2019年までのデータをまとめたものです。
窓の値幅(円) | 窓回数(回) |
0~0.25 | 492 |
0.25~0.50 | 18 |
0.50~0.75 | 6 |
0.75~1.00 | 1 |
1.00~2.00 | 5 |
2.00~ | 0 |
窓の幅は、週明けの始値と前週終値の差(絶対値)です。
心配をよそに、ほとんどの週で1円以内、最大で1.35円でした。
さらにさかのぼると、2008年9月に3.98円というトンデモナイ窓がありましたが、リーマンショック以降、3円を超えた窓あけは、その1回だけです。
月足でみた変動幅・変動率・上昇幅・下落幅
ここまで調べたら月足も調べてみたくなりました。
下の表は、2010年以降の120カ月を対象に調べた結果です。
値幅(円) | 変動幅(回) | 上昇幅(回) | 下落幅(回) |
0~0.99 | 8 | 71 | 53 |
1~1.99 | 30 | 24 | 25 |
2~2.99 | 34 | 19 | 19 |
3~3.99 | 27 | 5 | 14 |
4~4.99 | 13 | 1 | 4 |
5~ | 8 | 0 | 5 |
※変動幅:高値と安値の差、上昇幅:高値と始値の差、下落幅:安値と始値の差
さすがに1カ月の変動幅が1円未満という月は限られています。
上下1円以内の値動きしかない月が1番多いですが、過去のデータから1年のうちに3回程度は月初の始値から3円以上の上昇もしくは下落が発生していることがわかります。
ちなみに波乱の2018年は、8月に7.28円の下落・5月に4.61円の下落がありました。
ここ数年では、2017年は1回、2016年は4回、2015年は0回、2014年は2回、月初から3円以上の下落がありました。
2019年は、年明け早々にフラッシュクラッシュが発生しましたが、2019年1月の下落幅は2.61円です。
それよりも動きの多い月が、1年に何度か来ることを想定しておかなければいけません。
変動幅の平均はFX自動売買の利確幅の参考に、変動幅の回数はさや取りのリスク管理の参考にして戦略を立てると、運用成績アップにつながると思います!
なお、このデータを活用して設定した独自プラン『段構えさや取り』については、以下の記事にて紹介しています。
段構えで防御力アップ!トルコリラ円スワップさや取りのリスク対処法
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