日本人がよく取引する通貨ペアと言えば、米ドル円やユーロ円、豪ドル円などの円が絡んだ”クロス円”と呼ばれる通貨ペア。日本のFX業者で取り扱っている通貨ペアの多くがこのクロス円です。
クロス円ばかり保有していると円高もしくは円安時に同じような動きをしてしまうことが多いです。そうすると調子がいいときにはどの通貨ペアも調子がよく、調子が悪い時にはどの通貨ペアも調子が悪いという結果を招いてしまいます。
そこで保有リストに加えたいのがクロス円と同じような動きをしない(相関関係がない)通貨ペアです。
なかでも今回は、同じ地域同士の通貨ペアについて調査してみました。
比較したのは、ヨーロッパ同士であるユーロと英ポンドの通貨ペア「EURGBP」、同じオセアニア大陸のオーストラリアとニュージーランドの通貨ペア「AUDNZD」、北アメリア大陸で隣接するアメリカとカナダの通貨ペア「USDCAD」です。
それぞれ経済的なつながりも強い2国間の通貨ペアですが、それぞれに特徴があります。
同じ地域の通貨の相関関係は強いのか?
まずは2国間の通貨の相関関係を調べました。
検証では2009年からの12年間と2016年間からの5年間の数値を比較しています。
どの通貨同士でも相関係数がプラスの数値で正の相関関係があることが伺えます。
EURとGBP | AUDとNZD | USDとCAD | |
2009-20 | 0.83 | 0.77 | 0.44 |
2016-20 | 0.66 | 0.95 | 0.71 |
相関係数が0付近だと相関関係なし
相関係数が-0.8以下だと強い負の相関
2009年以降の1年ごとの相関係数も調べてみました。
こちらの数値を見ても、ユーロと英ポンド、豪ドルとNZドルの相関係数が0.8を超えている年が多く、相関関係が特に強いことがわかります。
米ドルとカナダドルも相関関係は強いと言えそうですが、年によっては相関係数が0.3を下回ることもあります。
EURとGBP | AUDとNZD | USDとCAD | |
2009 | 0.90 | 0.99 | 0.05 |
2010 | 0.90 | 0.81 | 0.92 |
2011 | 0.92 | 0.81 | 0.90 |
2012 | 0.88 | 0.96 | 0.90 |
2013 | 0.96 | 0.43 | 0.90 |
2014 | 0.72 | 0.78 | 0.95 |
2015 | 0.58 | 0.85 | 0.11 |
2016 | 0.95 | 0.79 | 0.81 |
2017 | 0.86 | 0.59 | 0.30 |
2018 | 0.91 | 0.88 | 0.51 |
2019 | 0.84 | 0.96 | 0.81 |
2020 | 0.50 | 0.93 | 0.22 |
ふーじー
ふーじー
EURGBP・AUDNZD・USDCADの3通貨ペアの相関関係は?
つづいて、EURGBP・AUDNZD・USDCADの3つの通貨ペアの相関関係を調べてみました。
EURGBPとAUDNZD、EURGBPとUSDCADの相関係数は0に近い数値で相関関係がほぼないことが伺えます。
対象1 | EURGBP | EURGBP | AUDNZD |
対象2 | AUDNZD | USDCAD | USDCAD |
2009-20 | 0.11 | 0.04 | -0.82 |
2016-20 | -0.02 | -0.18 | -0.38 |
一方、AUDNZDとUSDCADは逆相関がみられます。そこでさらに1年ごとに分析してみました。
1年ごとに分析してみると、±0.30に収まっている年が多く、強い相関もしくは強い逆相関がみられる年はわずかです。
対象1 | EURGBP | EURGBP | AUDNZD |
対象2 | AUDNZD | USDCAD | USDCAD |
2009 | -0.21 | 0.21 | 0.15 |
2010 | 0.43 | -0.23 | -0.62 |
2011 | -0.11 | -0.56 | -0.20 |
2012 | 0.01 | -0.06 | 0.50 |
2013 | 0.20 | 0.01 | -0.80 |
2014 | -0.45 | -0.29 | -0.09 |
2015 | -0.38 | -0.32 | 0.39 |
2016 | -0.51 | -0.24 | -0.04 |
2017 | 0.41 | -0.79 | -0.47 |
2018 | 0.10 | 0.41 | -0.32 |
2019 | 0.07 | -0.10 | 0.04 |
2020 | 0.47 | 0.02 | -0.30 |
ふーじー
ふーじー
クロス円とEURGBP・AUDNZD・USDCADの相関関係
最後にEURGBP・AUDNZD・USDCADの3通貨ペアとクロス円の相関関係を調べました。
ふーじー
下の表は、2016年から5年間のEURGBP・AUDNZD・USDCADと米ドル円・カナダドル円・ユーロ円・英ポンド円・豪ドル円・NZドル円の相関係数を調べたものです。
EURGBP | AUDNZD | USDCAD | |
USDJPY | -0.10 | 0.47 | -0.62 |
CADJPY | -0.30 | 0.25 | 0.12 |
EURJPY | 0.13 | 0.52 | -0.48 |
GBPJPY | -0.66 | 0.41 | -0.20 |
AUDJPY | -0.18 | 0.50 | -0.55 |
NZDJPY | -0.20 | 0.22 | -0.49 |
ふーじー
EURGBP・AUDNZD・USDCADのそれぞれの特徴については別記事で紹介しています。そちらもぜひご覧ください。
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