なにかと注目をあつめるビットコインを代表とする暗号資産。
仮想通貨という名で浸透し始めた初期に投資し、その後の価格上昇で巨額の富を得た人たちも多くいます。
ただその後は価格が暴落し低迷期が続きました。
しかし2020年末に再びビットコインが過去最高値を更新し、再び注目を集めています。一旦動き出すと値動きが激しく、投機性が高いことで暗号資産に投資することはギャンブルのような印象を受けることもあります。
ふーじー
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今回の記事では、ビットコインやリップルの過去データから暗闘資産の特徴を分析しています。
ビットコイン(BTC/JPY)の特徴
まずは暗号資産の代表格であるビットコインから分析します。
個人的な意見ですが、FX(通貨)で例えるならビットコインはメジャー通貨である米ドルといったところです。2021年6月現在、暗号資産の時価総額ランキングでビットコインは1位に位置しています。
それではさっそくビットコインの値動きから見ていきましょう!
ビットコインのチャート
こちらのチャートは、2015年6月以降の月足データをもとに作成したものです。
2017年12月に200万円を超えたあとは100万前後で停滞した時期が続きましたが、2020年11月に再び200万円を突破するとその後過去最高値を更新してあっという間に600万円に到達しました。
ビットコインの変動率(変動幅)
つづいて1日あたりの値動きを分析しました。下の表1は、ビットコイン(BTC/JPY)の年別の1日当たりの変動幅と変動率の平均値とその年の最高値・最安値をまとめたものです。
ビットコインの変動率は1日あたり4~5%程度。米ドル円の1日当たりの平均変動率が1%程度、メキシコペソや南アランドなどの新興国通貨ですら1.5%程度なのでFX(為替)に比べると4倍程度の値動きとなっています。
【表1】 | 2021 | 2020 | 2019 | 2018 | 2017 | 2016 | 2015 |
変動幅 | 185989 | 40370 | 41634 | 53965 | 41253 | 1918 | 1798 |
変動率 | 3.85% | 3.84% | 4.76% | 6.20% | 7.03% | 2.99% | 4.29% |
最高値 | 6592228 | 2968795 | 1495427 | 2008000 | 2312100 | 119968 | 63030 |
最安値 | 2968795 | 441900 | 365160 | 354350 | 86000 | 41294 | 20000 |
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こちらの表2は、変動率の分布を年ごとにまとめたものです。
10%以内の値動きの日が大半ですが、10%を超える値動きの日がどの年も年に10回以上発生しています。10% と言えば、FXでは大騒ぎになるレベルです。
さらに50%を超える変動率の日が2年に1回程度あります。
【表2】 | 2021 | 2020 | 2019 | 2018 | 2017 | 2016 | 2015 |
0~5% | 120 | 284 | 255 | 181 | 179 | 319 | 154 |
5~10% | 44 | 63 | 80 | 131 | 109 | 34 | 21 |
10~15% | 5 | 14 | 20 | 36 | 47 | 8 | 11 |
15~20% | 3 | 2 | 6 | 12 | 12 | 4 | 0 |
20~25% | 0 | 1 | 3 | 3 | 5 | 0 | 1 |
25%~ | 0 | 2 | 1 | 2 | 13 | 1 | 3 |
50%~ | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 |
2021年のデータは6月21日分まで集計したものです
ふーじー
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リップル(XRP/JPY)の特徴
つづいてリップルを分析します。
さきほどビットコインをメジャー通貨である米ドルと例えましたが、リップルをFX(通貨)で例えるなら先進国通貨でありながら値動きが大きい豪ドルといったところでしょうか。
2021年6月現在、暗号資産の時価総額ランキングでリップルは7位に位置しています。
それではリップルの特徴を見ていきましょう!
リップルのチャート
こちらのチャートは2017年1月以降の月足データをもとに作成したものです。
2015年、2016年のデータは不足していますが、さきほど紹介したビットコインと比較しやすくするために同じ期間でチャートを作成しています。仮に2015年・2016年のデータを挿入したとしても0円に近いところでの推移なのでチャート上は見えるか見えないかわからないレベルだと思います笑
さてビットコインが2020年12月に過去最高値を更新したのに対して、リップルは初動が遅く200円前後でくすぶって過去最高値を更新出来ていません。
リップルの変動率
ビットコインと同様にリップルの1日あたりの値動きを分析しました。
表3は、リップル(XRP/JPY)の年別の1日当たりの変動幅と変動率の平均値とその年の最高値・最安値を集計したものです。
リップルの変動率は1日あたり5%強。ビットコインの価格が百万円単位なのに対してリップルは2ケタもしくは3ケタなので値動きが少ないように見えるかもしれませんが、実はビットコインよりもさらに値動きが大きいです。
【表3】 | 2021 | 2020 | 2019 | 2018 |
変動幅 | 6.36 | 1.44 | 1.73 | 5.88 |
変動率 | 6.96% | 5.02% | 4.99% | 8.86% |
最高値 | 189.8 | 68.9 | 53.5 | 397.0 |
最安値 | 22.6 | 12.9 | 19.2 | 27.9 |
表4は、リップルの変動率の分布を年ごとにまとめたものです。
10%以内の値動きの日が大半ですが、10%を超える変動率の日がビットコインよりもさらに多くなっています。
【表4】 | 2021 | 2020 | 2019 | 2018 |
0~5% | 81 | 242 | 241 | 101 |
5~10% | 57 | 90 | 93 | 138 |
10~15% | 17 | 21 | 24 | 58 |
15~20% | 8 | 6 | 6 | 26 |
20~25% | 4 | 2 | 1 | 10 |
25%~ | 5 | 5 | 0 | 10 |
50%~ | 0 | 1 | 0 | 0 |
暗号資産の相関関係
最後に、ビットコインと他の金融商品の相関関係を調べてみました。
同じ暗号資産であるリップルとは相関関係はみられるものの、思ったほど強い相関ではありませんでした。
また、「有事の金」と言われる金と相関関係がみられ、ビットコインに安全資産としての一面もあるようです。今後、暗号通貨の信頼性が高まれば、さらにその傾向が強まる可能性があります。NYダウ(株価)とも相関関係がみられることは少し意外でした。
一方、米ドル(為替)とは予想通り逆相関関係がみられます。
ふーじー
【表5】 | リップル | 米ドル | NYダウ | 金先物 |
2016年 | – | -0.01 | 0.81 | 0.03 |
2017年 | – | 0.10 | 0.92 | 0.46 |
2018年 | 0.82 | -0.42 | 0.34 | 0.61 |
2019年 | 0.03 | -0.76 | 0.45 | 0.61 |
2020年 | 0.59 | -0.70 | 0.66 | 0.44 |
2016-20 | – | -0.28 | 0.81 | 0.66 |
2018-20 | 0.03 | -0.68 | 0.60 | 0.61 |
まとめ
ここまでビットコインとリップルの変動率や相関関係を紹介してきました。
暗号資産は「一攫千金で儲かりそう」という話題性や投機性に注目が集まりますが、十分に特徴を理解して資産運用の一部に組入れましょう!
・1日あたり10%を超える変動率の日も珍しくない
・ビットコインよりもリップルのほうがさらに変動率が大きい
・ビットコインは米ドルと逆相関、金と相関関係がみられる
ふーじー
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