FX投資家に人気が出てきている通貨ペアと言えば、同じオセアニアに位置するオーストラリアとニュージーランドの通貨ペア「AUDNZD」。
ここ数年、1.00~1.15の狭いレンジ相場を形成していて、その相関関係の強さから高い利回りを狙える通貨ペアとして注目を集めています。
トライオートFXやループイフダンのリピート系自動売買システムで取引する人も増えてきており、その人気の通貨ペア「豪ドル/NZドル」がついにトラリピにも誕生します!
ふーじー
今回の記事では、注目の通貨ペア「豪ドル/NZドル」について、通貨ペアの特徴や注意点、リピート売買における最適な設定(仕掛け幅・利確幅)などを過去データから分析します。
目次
AUDNZDの特徴
豪ドルとニュージーランドドルはとても相関関係が強く、特徴が似ているためレンジ相場になりやすい通貨ペアです。
・中国経済の影響が大きい
・政策金利が連動
為替レートの推移(長期チャート)
1990年以降、約30年もの間1.00~1.40のレンジ相場を形成しています。
過去30年間の月足終値の平均値は約1.20です。
一方で、ここ数年は過去30年の平均値よりも下方向の1.00~1.15のとても狭い価格帯でレンジ相場となっています。
ここに目をつけたのがトライオートFXやループイフダンなどのリピート系自動売買システムで、新たにトラリピも参戦してきました。
過去最高値/過去最安値
過去最高値は不明ですが、データのある1989年以降では1989年1月の1.474が最高値となっています。
1992年を最後に1.4を超えたことはなく、今後も1.4を超えてくることは容易ではなさそうです。
過去最安値は2020年3月に記録した0.9983で、2015年4月の1.0018を下回り、1.000を割り込みました。
今後もこのラインを大きく割り込むことは容易ではないと考えています。
それはなぜか?
1.0を割り込むということは、豪ドルよりもNZドルのほうが通貨として強くなるということを意味するからです。
オーストラリアとニュージーランドのGDP・人口推移を比較しても30年後もオーストラリアがニュージーランドを上回っている予想です。そして先進国に位置付けられている両国において、今後、ニュージーランドだけが著しい発展を遂げることは考えにくいです。
2014年以降のレンジ相場を分析
豪ドル/NZドルは、2014年以降はとても狭い範囲でレンジ相場を形成しています。
だいたい1.00~1.15のとても狭いレンジで、30年間のレンジの下半分で推移した状態が続いています。
この狭いレンジにトラリピのようなリピート系自動売買システムを仕掛けることで大きな利回りが期待出来ます。
2014年以降の標準偏差
2014年から2019年までの6年間の平均値は1.074、そして標準偏差が約0.25になります。
以上から下の表のように1σ・2σ・3σを求めることが出来ます。
上方向 | 下方向 | |
±1σ | 1.098 | 1.049 |
±2σ | 1.123 | 1.024 |
±3σ | 1.148 | 1.000 |
平均値+1σが1.098、平均値-1σが1.049です。統計上、このレンジ相場がつづいている間は約70%の確率で1.049~1.098の範囲で推移することになります。
そしてかなりの確率で±3σの1.000~1.148に収束することを意味します。
ちなみに1990年から2019年までの30年間のデータ分析では、平均値-1σが1.089です。
長期のデータ分析によると1.089以下は約70%の主要レンジから外れている絶好の買い場であり、いずれは1.089より上方向に戻る可能性が高いことになります。
トラリピ設定に潜むリスク
豪ドル/NZドルの通貨ペアは高いリターンが狙える一方で、ハイリスクな一面もあります。
ここ数年は、1.00~1.15の狭いレンジに収束していますが、いつこのレンジ相場が崩れるかわかりません。
30年間の長期のデータでみると、上方向にレンジアウトする可能性は十分あると考えています。
下の表は、トラリピのAUDNZD特集ページに載っていた運用プランです。
ここまでの分析を踏まえると、売りの設定はリスクが高く注意が必要です。
ここ数年のレンジ相場が崩れたとき損切りせずに放置すると、ズルズルと含み損が膨らんでしまいます。1.15で損切しておけば27.7万円程度だった損失が、1.20で約50万円、1.30で100万円近くの含み損となります。
ふーじー
AUDNZDの最適な設定は?
前述したように、2014年から2019年までの標準偏差から求めたコアレンジ帯は「1.049~1.098」です。
なので、まずはコアレンジ帯は「1.049~1.098」に買い設定を仕掛けたいところです。トラリピで用意されている買い戦略のように「1.01~1.10」で設定すれば+1σから-3σまでカバー出来ます。
一方、売りの設定は前述した理由から個人的には積極的に仕掛けたくありません。
トラリピで用意されている設定レンジは「1.04~1.13」ですが、ここ数年の平均値である1.074よりも上方向、もしくは過去30年の-1σである1.089よりも上方向で仕掛けるほうがリスクを軽減できて安心です。
もちろん、リスクを許容できる人は積極的にリターンを狙ってOKです。
より多くの利益が狙える利確幅は?
最適な利確幅については、過去データを使ってエクセルの自作シートで検証しました。
検証期間は2016年から2018年までの3年間です。
設定レンジは1.048~1.090、トラップ本数は35pips刻みの16本で買いのみです。利確幅は20pips~80pipsで10pips刻み、どの利確幅も仕掛け本数は同じでバックテストしました。
検証結果は下の表の通りで、それぞれの年の決済回数とそれぞれの利確幅による3年間の合計利益を記載しています。
20 | 30 | 40 | 50 | 60 | 70 | 80 | |
2016 | 338 | 292 | 230 | 195 | 165 | 132 | 115 |
2017 | 215 | 174 | 138 | 112 | 97 | 86 | 82 |
2018 | 222 | 162 | 123 | 99 | 76 | 60 | 53 |
合計 | 775 | 628 | 491 | 406 | 338 | 278 | 250 |
利益 | 108500 | 131880 | 137480 | 142100 | 141960 | 136220 | 140000 |
検証の結果、利確幅は20pipsよりもう少し広いほうが利益率が高くなることがわかりました。
年々変動率が低下してきていることを考慮しても30pips~50pipあたりがより良い結果になるのではないかと考えています。
ただし検証結果は日足を使ったものなので、正確な結果ではありません。参考程度に!
今後のAUDNZDの見通し
最後に豪ドル/NZドルの今後の見通しです。
オセアニア地域に位置し、地理的に近いオーストラリアとニュージーランド。為替チャートの値動きも似ており、非常に相関関係が近い通貨です。
経済面では、ともに中国経済に大きく影響を受けています。最近では米中貿易戦争の状況に応じてオセアニア通貨も上下動しました。
中国経済に陰りが見えてきたのでオセアニア通貨も軟調ですが、豪ドルとNZドルは一緒に下落したり上昇したりするので豪ドル/NZドルの為替レートに大きな影響はありません。
今後、豪ドル/NZドルのレンジ相場が崩れるとしたら、どちらか一方の国だけでなんらかの要因で経済情勢に大打撃を受けたときと考えています。
そして現在はほぼ連動していますが、政策金利のバランスが崩れたときは要注意です。
今後、それぞれの経済情勢や政策金利の動向に注視して引き際を見極めたいと考えています。
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