年金受給70歳繰り下げは損か得か?運用しながら取り崩すケースで65歳・75歳支給開始と比較

年金受給開始繰り下げの損得

年金の受給開始年齢を繰り下げた場合に何歳まで生きることが出来たら得なのか?早死にしそうなら繰り下げずに早くから受給しないと損なのか?

雑誌やワイドショーなどでよく見聞きする年金の話です。

ふーじー

でも、実際に知っておきたいのは「何歳から受給開始するケースが不安なく無理なく生きていけるのか?」
確かに!何歳まで生きることが出来るかわからないんだから損か得か考えても…

今回は、老後資金2000万円を運用しながら取り崩した場合、何歳から年金をもらい始めるのがいいのか、検証してみました。

年金受給繰り下げによる損得の比較(65歳・70歳・75歳)

まずは受給開始を何歳にするのが、損か得かの話です。

70歳に繰り下げた場合、82歳まで生き延びたら65歳から受給開始するより得になります。だいたい日本人の平均寿命あたりですね。

では、75歳まで繰り下げた場合はどうなのか?

87歳まで生き延びたら65歳から受け取る場合よりも得になり、92歳まで生き続けたらやっと70歳から受け取った場合よりも得になる計算です。

【早見表】年齢別の年金受給額総計

受給開始 支給額 70歳 75歳 82歳 87歳 92歳 100歳
65歳 月16万 960 1920 3264 4224 5184 6720
70歳 22.7万 0 1362 3268.8 4630.8 5992.8 8172
75歳 29.4万 0 0 2469.6 4233.6 5997.6 8820

※受給開始の年齢別支給額は、週間ポストのこちらの記事を参考にしています

なお、65歳・70歳・75歳から受給を開始した場合の詳細についてはこちらをクリックしてご確認ください。

65歳 70歳 75歳
66歳 192 0 0
67歳 384 0 0
68歳 576 0 0
69歳 768 0 0
70歳 960 0 0
71歳 1152 272.4 0
72歳 1344 544.8 0
73歳 1536 817.2 0
74歳 1728 1089.6 0
75歳 1920 1362 0
76歳 2112 1634.4 352.8
77歳 2304 1906.8 705.6
78歳 2496 2179.2 1058.4
79歳 2688 2451.6 1411.2
80歳 2880 2724 1764
81歳 3072 2996.4 2116.8
82歳 3264 3268.8 2469.6
83歳 3456 3541.2 2822.4
84歳 3648 3813.6 3175.2
85歳 3840 4086 3528
86歳 4032 4358.4 3880.8
87歳 4224 4630.8 4233.6
88歳 4416 4903.2 4586.4
89歳 4608 5175.6 4939.2
90歳 4800 5448 5292
91歳 4992 5720.4 5644.8
92歳 5184 5992.8 5997.6
93歳 5376 6265.2 6350.4
94歳 5568 6537.6 6703.2
95歳 5760 6810 7056
96歳 5952 7082.4 7408.8
97歳 6144 7354.8 7761.6
98歳 6336 7627.2 8114.4
99歳 6528 7899.6 8467.2
100歳 6720 8172 8820

※単位 支給額総計:万円

老後資金を運用しながら取り崩すケースで比較

さて、支給額の総計では平均寿命あたりまで生き延びるとしたら『70歳繰り下げ』が、92歳を超えてずっとずっと長生きするなら『75歳繰り下げ』が”得”である計算になりました。

しかし、70歳・75歳まで受給開始を繰り下げるだけの貯蓄・もしくは働く体力があるのか!?

結論から言うと、老後資金として必要とされる2000万円の貯蓄だけではモデルケースに出てくるような平均的な生活を送ると75歳まで持ちません。68歳ごろまで働くなりして68歳になるまでは2000万円の貯蓄にほぼ手をつけないなら75歳まで繰り下げても大丈夫そうです。

ふーじー

損得で話をするなら、年利3%で運用しながら2000万円を取り崩すケースでは87歳まで生き延びなければ得にはなりません (笑)
でも、本当に知っておきたいのはそこではなくて…

【モデルケース】老後資金2000万円を3%で運用しながら月24万円で生活する場合

下記の表は、65歳までに老後資金2000万円を貯めて年利3%で運用しながら取り崩すケースで年齢別に老後資金の残金を比較したものになります。老後に必要な生活費は月24万円で試算しています。

65歳 70歳 75歳
66歳 1962 1767 1767
67歳 1924 1528 1528
68歳 1884 1281 1281
69歳 1843 1027 1027
70歳 1801 765 765
71歳 1757 772 495
72歳 1712 779 217
73歳 1666 787 -69 
74歳 1618 794 -364 
75歳 1569 802 -667 
76歳 1519 811 -621 
77歳 1467 819 -574 
78歳 1414 828 -526 
79歳 1358 837 -475 
80歳 1302 846 -424 
81歳 1243 856 -371 
82歳 1183 865 -316 
83歳 1121 876 -260 
84歳 1057 886 -202 
85歳 991 897 -142 
86歳 923 908 -80 
87歳 853 919 -17 
88歳 781 931 49
89歳 707 943 116
90歳 631 955 185
91歳 552 968 257
92歳 471 981 330
93歳 388 995 406
94歳 302 1009 484
95歳 213 1023 564
96歳 122 1038 647
97歳 28 1053 732
98歳 -68  1069 820
99歳 -168  1085 911
100歳 -271  1102 1004
生活費は月24万円で設定
65歳受給開始の場合は毎月8万円の取崩し、70歳受給開始の場合は70歳までは毎月24万円の取崩し・70歳以降は毎月1万3千円の取崩し、75歳受給開始の場合は75歳までは毎月24万円の取崩し・75歳以降は毎月4万4千円の貯蓄として計算しています。

【個別ケース】5つの項目を入力するだけで簡単シミュレーション

先ほど紹介したケースは、あくまでモデルケールです。それぞれのご家庭によって事情が異なります。

こちらの計算ツールを使えば、5つの項目を入力するだけで簡単に70歳・75歳・80歳・85歳・90歳・95歳・100歳時点の貯蓄残金を計算することが出来ます。

ぜひ、ご活用ください。

まとめ

今回の検証したモデルケースにおいては、『70歳繰り下げ』が一番安心して老後を過ごせるパターンになりそうです。100歳以上生き延びたとしても大丈夫な計算です。

『65歳繰り下げ』では、98歳以上長生きすると貯蓄が尽きてしまう計算になりました。それでは、長生きするにつれて少しずつ不安になってきそうですよね。

一方、『75歳繰り下げ』では、そもそも73歳で老後資金が尽きてしまいます。68歳ごろまで働く元気があったなら75歳まで繰り下げても計算上は老後資金は尽きません。

ただし、今回の検証は執筆時点の情勢をもとにしたものです。今後、支給額や物価が変動する可能性があります。

また、モデルケースでは貯蓄額2000万円・生活費24万円/月・運用利回り3%/年として計算していますが、この条件が変化することで老後資金の残高も変動します。

計算ツールを使ってそれぞれのご家庭にあった条件でシミュレーションしてみてください。

20年以上の長期運用において年利3%は十分可能な数字ですが、それよりも長生きしたときにお金の管理がしっかりできるかどうか、が心配ですね(笑)

【10秒診断】資産運用シミュレーション~複利運用&積立投資で老後資金や子どもの学費はいくら貯まる?

ふーじー

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