重要な経済指標のひとつであるアメリカのGDP(国内総生産)の推移は、アメリカだけにとどまらず、世界経済に影響を与えます。
そのため、発表時には為替や株価が大きく動くこともあります。
例えば第1四半期(1~3月)の数値であれば、4月に速報値が発表されます。
今回は、このアメリカのGDPの数値の捉え方と株価との関係について説明します。
年率換算とは【四半期ベースに換算する方法】
米国GDPは、年率換算で発表されます。
例えば、2020年第3四半期の数値は+33.1%でした。
これは第2四半期と比べて33.1%成長したわけではなく、第3四半期の成長率が1年間続けば年間で33.1%の成長が見込めるという年率で換算した数値になります。
ややこしいですよね…(^^;
この年率換算した数値を四半期ベースに換算したい場合、以下の式で計算すればOKです。
四半期ベースGDP成長率=(年率換算GDP成長率+1)^(1/4)-1
2020年第3四半期の数値で換算すると
四半期ベースGDP成長率
=(0.331+1)^(1/4)-1
=1.331^0.25-1
=1.074-1
=0.074
となり、四半期ベースでみると第2四半期から7.4%成長したことがわかります。
米国GDPの推移
年率換算の数値では、四半期ごとの成長がつかみづらいと思うのは自分だけでしょうか?
そこで過去の発表数値を四半期ベースに換算し、GDPの推移を数値化してみました。
表中のGDP推移は、2014年第4四半期を100として計算した数値です。この数値で見れば、どれくらい成長したのか、マイナス成長の場合にはどのくらい前に戻ったのかがわかりやすくないですか!
例えば、2020年第2四半期は新型コロナの影響で大きなマイナス成長となりました。
では、実際にどのくらい後退したのか見てみると2015年第2四半期まで実に5年も前のGDP水準に戻ったことになります。
しかし、2020年第3四半期には大きく盛り返し、2018年第2四半期の水準まで回復しています。とは言え、コロナ前の水準に戻すにはもう少し時間がかかりそうです。
四半期 | 年率換算 | 四半期ベース | GDP推移 |
2015① | -0.2% | -0.05% | 99.95 |
2015② | 3.9% | 0.96% | 100.91 |
2015③ | 2.0% | 0.50% | 101.41 |
2015④ | 1.4% | 0.35% | 101.76 |
2016① | 1.1% | 0.27% | 102.04 |
2016② | 1.4% | 0.35% | 102.40 |
2016③ | 3.5% | 0.86% | 103.28 |
2016④ | 2.1% | 0.52% | 103.82 |
2017① | 1.4% | 0.35% | 104.18 |
2017② | 3.1% | 0.77% | 104.98 |
2017③ | 3.2% | 0.79% | 105.81 |
2017④ | 2.9% | 0.72% | 106.57 |
2018① | 2.0% | 0.50% | 107.10 |
2018② | 4.2% | 1.03% | 108.21 |
2018③ | 3.4% | 0.84% | 109.11 |
2018④ | 2.2% | 0.55% | 109.71 |
2019① | 3.1% | 0.77% | 110.55 |
2019② | 2.0% | 0.50% | 111.10 |
2019③ | 2.1% | 0.52% | 111.68 |
2019④ | 2.1% | 0.52% | 112.26 |
2020① | -5.0% | -1.27% | 110.83 |
2020② | -31.4% | -8.99% | 100.86 |
2020③ | 33.1% | 7.41% | 108.34 |
2020④ |
GDPと株価の相関
つづいてGDPと株価がどの程度連動しているか調べてみました。
検証ルールは以下の通りです。
- GDPは前章で掲載した表中GDP推移で比較
- 株価はNYダウで比較
- 株価はGDP速報値が発表された月の終値を抽出
上記ルールで相関係数を調べると、2015年以降0.83の強い相関関係があることがわかりました。
GDPの推移とNYダウの推移をグラフ化すると以下のような感じになります。
※〇印(黄色)はGDPの推移、四本値チャートは株価の推移
まとめ
- 年率換算とは、ある期間の成長率を1年間の成長率に換算すること
- 年率換算は、短期間に大きな事象が発生すると大げさな数値になってしまう
- 米GDPの推移は四半期ベースでみると捉えやすい(個人的見解)
- 米GDP成長率は株価(NYダウ)と強い相関がある
過去最高水準(2019年第4四半期)に戻るためには、ここから年率換算で15%・四半期ベースで3.5%の成長が必要です。
アメリカ経済の回復は、世界経済に大きく影響を与えるため、今後のGDP成長率の発表に注目です。
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